新会計移行と国庫補助の取り扱い

25年度の指導監査、検査等厳しく指摘されているのが、新会計移行時の国庫補助金の調整です。もっとも監査等で全く問題視されない地域も多いのですが、一応理解されておいた方がいいと思われます。

新会計基準に移行するにあたって、国庫補助金等特別積立金は2つの観点から調整することになっています。

  1. 取崩額は、その固定資産と同じ計算式で行うことになったための調整
  2. 指導指針(介護施設用の会計基準)と同様に、借入金の元金償還補助金についても、国庫補助金等特別積立金に計上することになったための調整

具体的にみていきましょう。

1. 減価償却法と統一するための取崩額調整について

* 取得当初からの再計算が原則ですが、重要性が乏しい場合、調整しないことができます。
しかし、ある行政の監査では、「基本財産に関わることなので、重要性がある」として、一律に調整を求めてきています。

(調整の意味と方法)
現会計基準では、国庫補助取崩額の計算に残存価額を反映しなかったので、平成19年3月31日以前に取得した固定資産であれば、耐用年数が経過したときに残存価格が10%残りますが、国庫補助は0になっていました。
新会計基準では、補助を受けた固定資産と同じように残存価額を反映して取り崩すことになりました。
よって、上記の例では国庫補助金等特別積立金は、耐用年数経過時には固定資産と同じように10%残り、その後、固定資産が備忘価額1円になった時に0になります。

【調整例】
今回計算する建物の条件

取得年月 平成10年4月(経過年数15年)
取得価格 1億円
残存価格割合 10%
耐用年数 47年
国庫補助割合 3/4
現会計基準による計算

建物減価償却額累計 (A)
= 取得価格 x (100% – 残存価格割合) x 減価償却率 x 経過年数
= 100,000千円 x 0.9 x 0.022 x 15 = 29,700千円

国庫補助取崩額累計 (B)
= 国庫補助金総額 ÷ 耐用年数 x 経過年数
= 75,000千円 ÷ 47年 x 15年 = 23,925千円

新会計基準による計算

国庫補助取崩額累計 (C)
= 建物減価償却額累計 (A) x 国庫補助割合
= 100,000千円 x 0.9 x 0.022 x 15 x 3/4 = 22,275千円

建物減価償却累計 (A) は変わりませんが、国庫補助取崩額累計は (B) – (C) = 1,650千円の調整が必要で、以下の仕訳になります。

借方 貸方
会計基準移行に伴う過年度調整額 国庫補助金等特別積立金
1,650千円 1,650千円

* 平成19年から新減価償却法を採用していない場合は、減価償却累計も変わるケースがあります。

2. 設備資金借入金元金償還補助金の国庫補助金等特別積立金計上について

全国的にこのようなありがたい補助金は少ないのですが、神奈川県などでは福祉医療機構の返済にあたって4分の3を補助する制度が近々までありました。
施設整備時に補助金を受けるのと、借入金返済時に補助金を受けることを同じテーブルに乗せようという考え方です。

ただし以下の簡便法も用意されています。

  1. 国庫補助金等特別積立金に計上しない。
    * 補助対象の固定資産の耐用年数のほとんどが経過している等で、移行年度以降の取崩額に重要性が乏しい場合
  2. 過年度分は調整せず、移行年度から毎年補助額を同額で積み立て、取り崩す。
    * 補助期間の大半が終わっているため、移行年度以降の入金額に重要性が乏しい場合
  3. 過年度分は調整せず、移行年度から積み立て取り崩し処理を開始する。

    積立額 毎年の補助金額を積み立てる。
    取崩額 今後の入金予想額を耐用年数の残余年数で取り崩す。
カテゴリー: 経営
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